心臓はよごれた血液(静脈血)を右の心臓に集め肺できれいな血液(動脈血)にして左の心臓から全身に送るポンプの働きを担っています。 心臓の弁膜は4つあり、この血液の流れが一方向にスムーズに行くようにするための逆流防止の働きを行っている部分です。
弁膜症には弁膜の開きが狭くなる狭窄と閉まりが悪くなる閉鎖不全があり、僧帽弁閉鎖不全症が最も多く、 近年では大動脈弁狭窄症が増加傾向にあります。
いずれの弁膜症も進行したら息切れや下肢のむくみなどの心不全症状を起こします。 特に、大動脈弁狭窄症は心不全の症状に加え、胸痛やめまい、失神などを起こします。
重症弁膜症は全身麻酔による人工弁置換術が行われます。人工弁には生体弁と機械弁があり、生体弁では抗凝固薬(さらさらの薬)ワーファリンは術後3か月で中止できますが、耐久性が10-15年です。 機械弁は耐久性に優れますが、生涯ワーファリンの服用が必要です。 したがって、生体弁は65歳以上の高齢者に使用されます。
開胸せずに股の動脈や静脈から行えるカテーテルを使用した新しい手術が行われています。