4.大血管疾患(動脈瘤)

疾患概要

動脈瘤には動脈の3層構造が保たれたまま拡張した真性動脈瘤(左図)、カテーテル検査等動脈を穿刺した後に起こりやすい仮性動脈瘤(中図)、偽物の腔(偽腔)ができ緊急手術が必要になる解離性動脈瘤(右図)に分類されます。 真性動脈瘤では、大動脈の一部が拡大した嚢状瘤は破れやすく早期の手術が必要になります。

真性動脈瘤

動脈壁全体(3層)が脆弱化して拡張し、瘤を形成したもの。

仮性動脈瘤

動脈壁の一部が欠けて、流失した血液が凝血し、さらに周囲の結合組織によっておおわれたもの。

解離性動脈瘤

血液が流入して中膜が2層に分離した状態で、胸部大動脈に好発する。予後不良で緊張度が高い。   

紡錘状大動脈が全体に誇張している状態。

嚢 状大動脈の一部が拡大して袋状に瘤を形成している状態である。破裂の危険性が高い。

手術適応

真性大動脈瘤

真性大動脈瘤の手術の基準として、一般的に腹部大動脈瘤は50㎜以上、胸部大動脈瘤は60㎜以上であり、嚢状動脈瘤は破裂しやすく50㎜未満でも手術の適応になります。